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みつめてナイト フォローストーリー
ライズの影の騎士 〜エミリオ・イズルート編〜 2

訓練所

「今日はあの娘と出かける日か。何が起こるやら。」
身支度を整え訓練所を出る。
「今日はハジメは寝てるのかな?」
普段騒がしいハジメがあらわれないといつもの元気が出ないのは不思議だ。
「よぉっ、そんなにめかしこんで行くってぇ事はデェトか?」
「なんだ、さくやか。まぁ、そんなところさ。」
「へぇ、こいつは羨ましいねぇ。俺もあやかりたいものだ。はっはっは!!」
からかうようにしてさくやは俺を眺める。
「しかしなんだ、意外と朝が早いんだな。」
「いや、今帰って来た所さ。これから帰って寝るところだよ。はっはっはっは、じゃあな。」
と言いつつ、さくやは帰って行った。
「ふう、しかし本当に良くお金があるものだ。」
半ば呆れ、半ば感心しながらキャラウェイ通りにむかった。




キャラウェイ通り

ちょうど駅の前についた頃、後ろから声をかけられる。
「こんにちは。」
「ちょうど良かった、俺も今着いたんだ。」
「そう、それはよかったわ。今日はどこを案内してくれるのかしら?」
「そうだな、とりあえずレストランで食事をしてからにしようか?」
「かまわないわ、じゃあ、入りましょう。」
俺はこのキャラウェイ通りで一番と思われる店に入った。
適当に注文を終えた後、ふいにライズが話題を切り出した。
「山縣、あなたはこういう所にはよく来るの?このお店高そうだけど。」
「いや、あまり来ないな。肉が主体の料理にまだ慣れない所があるからな。」
「そう・・・。でもここの支払いは大丈夫なの?」
「まぁ、けっこういい稼ぎになるからな。傭兵ってやつは。」
「そう・・・。」
(この国は富んでいるのね・・・かなりの報酬を傭兵に払っているようね。傭兵部隊は要注意だわ。)
「で、あなたは稼ぎがいいから傭兵になったの?」
「いや、それしか食う能がなかったからさ。」
「そう・・・でも、少し寂しいわね。人の死の上にしか築けない生・・・。」
「そうかもしれないな・・・。」
食事が運ばれてくる。
「あら、美味しいわね。スィーズランドのベッヘルにも負けないわね。」
「うん、確かに。なかなかこんな食事にはありつけないな。」
「そうね、確かにここのシェフは一流だわ。」
食事が運ばれてくる前の重い空気を忘れるかのように、2人は料理の話題で盛り上がった。




レストラン前の建物の陰
「ふぅ・・・」
建物に寄り掛かりレストランをうかがう。
「ははははは、あちらは高級料理。こちらはフィッシュアンドチップスだもんなぁ・・・。」
ひとつ摘まみ上げると口の中に放り込む。
「ちょこ〜〜〜っと損した気分だな〜〜〜。」
あくまで一人のときには軽口をたたくのが彼流なのであった。
「さてさて、東洋人が野蛮な事をライズにしなければよいのだが。まぁ、彼女なら『余計な心配ね・・・』とでも流されてしまうに決まっているけどなぁ。」
「そぁこぉのお前ぇ!ちょっと聞きたい事がある!!」
「『お前ぇ』だぁ?」
「このジョアン・エリータスが、聞きたい事があると言うのになんだぁ!その態度はぁ!!!!」
「俺には関係ないね。」
「このぉ、エリータス家に逆らうのかぁ!!!」
「うっとぉしい!!」
エミリオは常人には見えないかの様なスピードでジョアンのみぞおちに拳を入れ気絶させた。
「ふん、ボンボン風情が!」
一瞬の間、真面目な顔が覗いたがすぐに緊張をとく。
「おっとぉ、まだ店から出てないだろうな・・・。」
少しの間気がそれたもののまだ店内にいるようだ。




店内
食事が終り、普段なかなか口にできない様な食事の話が続いた
「そろそろ出ましょうか・・・。」
「そうだな、じゃあ遊歩道を散策するか。」
「かまわないわ。行きましょう。」
「はい、20Gになります」
「とりあえず今日は半分出すわ。」
「いいよ、学生には半分でもかなりの額になるだろう?それにここに誘ったのは俺だし。」
「そうね、じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうわ。」
ポンと金貨をウエイトレスに渡す。
「ありがとーございましたー」
ウエイトレスの元気なかけ声を後に店を出る。

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あきゅろす。
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