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みつめてナイト フォローストーリー
第12章 ライズの陰の騎士 〜エミリオ・イズルード編〜 1
〜回想〜 
ヴァルファバラハリアン幕営

「何かお呼びでしょうか?叔父上。」
「うむ、エミリオか。折り入って頼みがある。」
「叔父上、頼みなどと他人行儀な事はやめて下さい。」
「うむ、おぬしはライズについてドルファンに入ってもらいたいのだが。」
「!?何とおっしゃられます!!叔父上!この少しでも兵力が必要な時に!!」
「いや、おぬしもまだ若い。死ぬ必要もあるまいて。」
「しかし・・・。やはり、私はここにいて叔父上をお護りしたいのですが。」
「ライズもおぬしにに慣れておるようであるしな。」
「幼き頃より、共に修行した身なればこそですが・・・。」
「・・・適任者はおぬししかおらんのだ・・・」
「とは、申しましても・・・。」
「・・・ライズを頼む・・・。」
「・・・はっ!!身命にかえましても!!」
「死んではならぬぞ!!」
「はっ!!」
・・・・寝台から飛び起きる黒髪、黒目の二十歳の男。
エミリオ・イズルード。
ライズの陰の騎士として彼女を護る・・・。



11/11 ドルファン学園寮 ライズの部屋

壁にもたれかかる男が一人。
ライズは男に声をかけつつ身支度を整える。
その様はデートといううきうきした様子は無く、たんたんと仕事をこなす雰囲気であった。
「じゃぁ、行ってくるから。後の事はよろしくね。エミリオ。」
「でも、大丈夫なのか?東洋人っていうのは野蛮人と言うぞ。」
「平気よ、どうせあなたが尾けてくるのでしょう?」
少し彼女が微笑んだようにも見える。
「ちぇっ、バレバレかぁ。」
照れくさそうに、頭を掻きながら答える。
「あなたの格闘技の腕は信頼してるわ。」
「腕だけ・・・なんだろう?」
嘆息混じりにつぶやく。
「ふふふふふ、じゃぁ、そろそろ行くわ。」
「あぁ、気をつけてな・・・。」
扉を閉めて出て行く彼女に思いつめた顔で呪文のように呟く。
「叔父上のためにも、俺がライズを護らなくては・・・」



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あきゅろす。
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