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みつめてナイト フォローストーリー
小鳥遊さくや編 2

「しかし、油断したかなぁ?」
独語してみる。意表を突かれたのは確かだったのだが、油断した覚えはない。
やはりさくや自身の雰囲気に呑まれたのかもしれない。
「ちっ!」
気分は良くない。まぁ、それなりに自信があっただけに負けたショックの方が大きいのだろう。
ふと気が付くと、病院の前に着いた。
「次の方どうぞ〜」
看護婦さんに案内され、医者によると大した事はないらしい。


帰り道の途中
「ドルファン学園か、しかも下校時間か。」
「こんにちは、訓練さぼってるの、あなた、余裕ね。」
ふいに声をかけられる。
振り向くとライズが立っていた。
「あら、怪我をしたの?プロとしては失格ね。」
「ん?あぁ、ライズか。まぁ言い訳はしないさ。」
「そう・・・そういう所は評価できるわね。」
「わたしまだこの国に慣れていないから、どこか案内して欲しいわね。」
「そうか、それならば今度の休みに案内をしよう。まぁ、俺自身も慣れたとは言い難いけどな。」
「そう、楽しみにしてるわ。失礼するわね。」
(この男の亊 何かつかめると良いのだけれど。・・・お父様の為に。)
相も変わらず俺に対しての視線が厳しい。
これが俺に恋してるって言える程 自惚れられるなら、俺もこんなに苦労はしないんだがな。
笑顔の一つも見せてくれれば、勘違いも出来様ものだが・・・。
まぁ、上手くはぐらかすことができればなぁ・・・。
「難しい顔してるな、何かあったのか?」
「おどかすなよ、ちょっと考える事があってな。」
「これの話しか?」
と小指をたてる。
「そんなところだ。」
さくやはちょっとからかう様に上から下までなめる様に視線を泳がし笑いだした。
「はっはっはっは、そんな事はまぁどうでも良いが、今日の試合には飲み代でもかけておけば良かった。」
「物を賭けたら、俺は負けないぜ!」
「それは頼もしい、今度は酒代を賭けて手合いをするか。」
「よぉ、こんな所で男が立ち話とはみっともないぜ。」
さくやがヒュ−ッと口笛を吹く。
「ジーンか?今帰りなのか?」
「あぁ、今日はまっすぐ帰るんだけどな。」
「ジーンにしては珍しい事もあるものだ。」
その後ろで、さくやは頭をぽりぽり掻いている。
「いやな、そこで頭を掻いてる男に今月の酒代全部呑まれてしまってな。」
苦笑しつつ笑っている。
「ほう、それはすごい!!ジーンを負かす程の酒豪とはな。」
「まぁ、約束だからしかたがないさ。タマの命の恩人だからな。」
「はっはっは、まぁ、そういう事だ。俺が勝った時はよろしくな、有朋。」
内心冷や汗をかきながら、さっきの話しをなかった事にしたくなる。
「まぁ、今度は油断しないから負けないけどな。」
「今度はもっと楽しもうぜ、俺は今から飲みに行く所だったんだ。じゃあな!」
飄々とした足取りでさくやは酒場に向かっていった。
「昨日あんなに飲んだのに、今日も酒場に行くとはな、完璧に俺の負けだな。」
呆れた顔でジーンが呟く。
「俺も飲みたい気分なのだが、怪我に触るといけないので止めとこう。」
「じゃあな、また今度。」


宿舎
部屋の前でハジメが待っていた。
「大丈夫だったの?」
「あぁ、大した事ないらしい。」
「今日もさくやは出かけちゃったみたいだけど、どこに行ったのかな?」
「ん?飲みに行ったらしい、さくやにとっては酒を飲む事が人生での一番の楽しみなようだな。」
「そうなんだ、一度飲みくらべしてみようかな?」
「止めておいた方がいいと思う。何せ、ジーンは今月分の飲み代を全部さくやにおごらせられてしまったらしいからな。」
「そうなんだぁ、ジーンも大変だね、1日の疲れを癒す事もできないんだぁ。」
「そうだな、酒も飲めないんじゃ仕事に対するやる気に関わるだろうなぁ。」
「でも、さくやって、そんなにお金もってるんだね、意外だなぁ。」
「酒の為だけに生きてるのかも知れないな、まぁ、こっちにたかられても困るからいいのじゃないか?」
「そうかも知れないね、はははっ、じゃあ、僕はそろそろ寝るから部屋に帰るねっ。」
ばたんと、音がしてハジメが出ていくと今日の事を振り返ってみる
俺はそんなに弱かったのだろうか?
ちょっとばかし調子に乗って増長していたのではないか?
まんじりとしないまま、眠れない夜はふけていった・・・。





連載第11話です。

おおぉ! さくやかっこいい〜〜〜

原稿まってた甲斐があったわん(爆)

これから、山縣&ハジメの主人公と どうからんでいくか 楽しみですね

・・・・もちろん ジーンとも(*^^*)

何やら、さくやを出した事で、構成かわってしまい 苦労かけてすいません>山縣さん



因に現実のさくやは こんなにお酒強くないです(そりゃあ 毎日一合は呑んでるけどさ(苦笑))





え〜っと 次回こそは(笑) 山縣さん念願のライズとのデートのお話だそうです〜(^^)

皆様 どんなデートかお楽しみにね♪(あ、催促&「俺もだして〜〜!」等リクエストも 待ってるそうで〜す)






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