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みつめてナイト フォローストーリー
とある男との出会い  〜小鳥遊(たかなし)さくや編〜 その2


酒場
日も暮れた頃、酒場のカウンターで呑む大男独り。
「ふぅ、しかしたまには日本酒も呑みたいもんだ。」
そう言いつつも、その横にはすでに十数本のジョッキが空いている。
「しかしまぁ、ジーンとか言う奴まだ来ないのか。早く来ないと俺一人でここの酒全部呑んでしまうぞ!はっはっはっは!!!」
酒場の入り口の扉が勢い良く開き、慌てた様子で入ってくる御者服をきた女性が入ってくる。
カウンターにいるさくやを見つけると申し訳無さそうな顔をして、話し掛けて来た。
「すまない、今日は暇かと思っていたんだが、夕方から急に忙しくなってな。」
「先にやらせてもらっている、別に謝らなくてもいい。もちろん、この呑み代も持ってもらうからな。はっはっはっ!」
ジーンの肩をぽんぽんっと軽く叩きながら、底抜けの様な笑顔で、ジーンに笑いかけている。
「まぁ、今日は楽しく呑もうや。」
「そうか、そう言ってもらえると助かるよ。」
ジョッキの数と、いまだほろ酔いにもなっていなさそうなこの男におごると言った事に少しだけ後悔をする。
「で、あの子に名前をつけてやったのかい?」
「ん〜〜、どうするかな。タマにでもするか。」
「変わった発音だな。でも、何か良いひびきがするな。」
「ヤポンではありふれた名前なんだが。」
この男のイメージからはかけ離れた照れ笑いを見せた。
「折角拾った命なんだから大切にしてやってくれよな。」
ジーンはビールを頼んだ後ににこやかに話し掛ける。
「あぁ、助けたからには最初からそのつもりだ。猫も好きな事だしな。」
「じゃぁ、暇な時には見に行っても良いか?」
「かまわないさ。好きな時に来るが良い。御者がやれるなら、自分の身くらい守れるだろうからな。」
「あぁ、そうか、傭兵宿舎だからか。まぁ、腕に自身くらいあるから心配いらないぜ。」
「そいつは頼もしい。はっはっはっは!!」
「そうんなに笑うなよ、ぷっ、ははははは。」
ついつられて笑う。
「御機嫌ね、ジーン。何か良い事でもあったの?」
クレアが声をかける。
「ほぅ、こいつはべっぴんさんだ。」
「こちらの方はどなた?」
「あぁ、今日この国に来た小鳥遊さくやっていうんだ。山縣やハジメと同じ国の出身だそうだ。」
「あら、そうなの?戦場に出る時は気をつけてね。死なないように・・・。」
少し陰のある表情で、クレアさんが言う。
ジーンがひそひそ声で囁く
「先の戦争で、御主人を無くされたそうらしいんだ。対応には気をつけてくれないか?」
無言でうなずくとさくやは陽気な声で答えた。
「死なない程度にやりますよ、死んでは楽しい事にもありつけませんですからね。」
「そう、楽しい席で暗い話しをしちゃったわね。おばさんのたわごとですから聞き流して下さいね。」
最後に笑顔で一礼するとブラックジャックのディーラーの席へ向かっていった。
「ほぅ、賭け事の姐さんか。」
席につくクレアを見て興味深そうにつぶやく。
「すまないな、まだ心の整理がつかないらしくてな。」
「心配はいらない、未亡人はヤポンにもかなりいたことだし。」
「助かるよ。さぁ、続きだ続き、どんどん呑んでくれよ。」
「言われなくてもそうさせてもらうさ、おい、じゃんじゃん持って来てくれ!!」
ウエイタ−を呼び止め、酒を大量に注文する。
「今日はなかなか刺激的な日ではあったな。面白くてたまらん。」
「猫を助けただけでか?」
「いや、何、山縣とかハジメとか言うやつもかなりの使い手の様だしな。」
「良くわかったな。イリハ会戦では先陣の大将を山縣が、副将をハジメが討ったって言うのはかなり有名な話しなんだが。」
「そのうちに一つ手合わせをお願いするか。」
「怪我しないでくれよ、タマが可哀相だからな。」
2人の笑いが夜の酒場に響く。
心地よい酔いと供に夜はふけていく・・・。

帰り道
酔いつぶれたジーンをクレアに頼み、月光りの中を帰路につく。
初日から宴会を開いたさくやは、気持良さそうだが、軽い足取りで宿舎に戻っていった。
「この国に来て正解だったな。何か面白い事が起こりそうだからな。はっはっはっは!!!」
人の迷惑を考えずに思わず夜中に高笑いをするさくやであった。






連載第10話です。
わわわ! びっくりしたあ
・・・というわけで、「さくや」の登場です
いきなり、ジーンとの絡みがあって うきうき♪ですぅ〜〜
 コホン(^^; つい興奮しちゃいました すいません。

え〜っと 次回はライズのお話だそうです〜

ついに、10話突破を記念して、山縣さんの短歌のキャラ当てクイズと、人気投票を行いたいとおもってます〜(^^)/

みなさん 予習していてね☆


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あきゅろす。
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