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みつめてナイト フォローストーリー
Befor Tha Story&ドルファン王国にての出会い〜ソフィア・ロベリンゲ編〜
「この国も戦が終わりじゃぁ!!」
「太平の世じゃぁ!!」
陽気に叫ぶ農民がいる。
そう、この国”ヤポン”と異人に呼ばれるこの国は長い長い戦国の世を終えたばかりであった。
「ふぅ、戦が終われば御役御免たぁ俺もついてないぜ!」
戦では大活躍した俺だが、どうもその武勲に我が主君が恐れて、このままでは殺されるかもしれない。
「この国を捨てるか・・・」
あぁ、紹介が遅れたな。
俺は”山縣有朋”。
まあ一介の武士だった。
まあそんなわけで、とるものもとらず、追手がかかる前に逃げ出した・・・。
行き先も聞かずに船に乗る。
どうやらこの国の将軍は「鎖国」を考えているらしく、まもなくこの国からも逃げ出せなくなる恐れがあるからだ。
まあ、本当に鎖国にでもなったら、追手もかからずに楽になる。
「ふぅ、やっと一息つける・・・。」
すると、近くで声をかけられた。
「やあ!君も逃げ出してきたのかい?もうこの国も平和だし、僕がこの国にいる必要はないしね。そう思わないか?」
これがこれから長く付き合う事になる相棒”山田ハジメ”との出会いであった。
「君はどこか行く予定はあるのかい?」
「嫌・・・別に。」
「じゃあ、この間来てた異人から聞いたんだけど、どうも”ドルファン”と言う国で戦争が起こりそうで傭兵を集めているんだって。その国では出世もできれば、永住もできるらしいよ。」
「・・・・!!永住だって?」
どんな事になっても、安住の地は必要なものだと俺は思っている。
「それはいいかもな・・・俺も付き合うよ。」
「良かったよ。僕も同じ国の人間がいると安心できるしね。」
と言うわけで、俺達は未知の国の”ドルファン”で、何が待ち受けているか知らなかった。

第一章 ドルファン王国にての出会い〜ソフィア・ロベリンゲ編〜
「ふぁ〜体がなまりそうだ。」
俺はあくびをしながら言った。
「長い船旅に飽きたのかい?でも長い船旅で良かった事もあるじゃないか。ドルファンの言葉も覚えられたしね。」
ハジメが穏やかな表情で声をかけてきた。なぜ、こいつが俺と同じ位の強さがあるのか不思議だ。
ひょっとしたら、その表情で油断させるのかもしれないが。
「・・・まあそりゃあそうなんだが。」
「でさ、もうすぐドルファンに着くんだってさ。」
「そうか、やっと着くのか。楽しみだな・・・」
カーン、カーン、教会の鐘の音が響く。
船旅の途中でいろんな国を見た俺はもう驚きはしなかったが、最初は大変だった。
何せ、外国に出るのは初めてだし、蛮人とは名ばかりで、進んだ技術も持っていたからだ。
「じゃあお先に〜!!」
先に出入国管理局の審査を終えたハジメが駆け出した。
「ふっ、まるで子供じゃあないか。」
すると、下の方から「いやっ!は、放して下さい!!」
可愛らしい女の子の声がする。
下を見ると。柄の悪そうな男達が1人の女の子を囲んでいる。
そこへ駆けつけるハジメ。
「女1人に対して何をしている!!」
「てめぇ何見てるんだよぉ文句あるのかぁ、その面はよぉ。兄ちゃんよぉカッコつけすぎると痛い目に合うぜぇぃ・・・こんなふうになぁ。」
なぁに言ってんだか。けんか相手の実力も分からないとは、ハジメに勝てる男はこの国でもそうはいないのにだろうに。
とか言ってる間に峰うちでかたずけちまいやがった。
「次ぎ合う時は覚えておけよ!!」
月並みなセリフだな・・・。
船を下りて、ハジメに近づきながら声をかけた。
「相変わらずいい腕だな。」
「そんな事ないよ、君の腕にはかなわないよ。」
・・・相変わらず自分の実力を秘めていく男だな・・・。
そう思いながらふと横を向くと、水色の美しい髪をした女の子がこちらの様子をうかがっている。
俺の視線に気がついて、風のように逃げてしまったが・・・。
何なんだろうあの子は?
そんな事を考えているとそこへ、
「あ、あのう。ありがとうございました。あの・・・改めてお礼に伺いたいので、せめてお名前だけでも教えていただけますか?」
極度の緊張から開放されてか少し顔が赤いようだ・・・まさかハジメに惚れたとか?
「あ、すいません・・・私ソフィア・ロベリンゲと申します。」
「ああいいよ、僕は山田ハジメ。こちらは連れの山縣有朋さんだ。」
「まあ、御二人とも変わった響きで素敵なお名前ですね。」
あ〜あ。ハジメの事しか見てないよ。
これはまじに惚れちゃったのかな?
まあ一応挨拶をしておくか。
「う、うんまあよろしく。この国ははじめてなので、いろいろ教えてくれたらありがたいのだが・・・。」
「ええ、かまいませんよ。私でよかったらお力になります。ではまたいずれ改めてお礼に伺います。助けていただいて本当に有り難うございました。急いでますので、失礼します。」
そう言うとソフィアはとっとっとっと走っていった。
「なかなかやるじゃないか、ハジメ。さっそく女の子をナンパするなんて。」
「からかわないでよ、君があの場にいたら僕と同じ事をしたくせに!」
「まあそう怒るな。もてない男のひがみだとでも思ってくれ。」
「ひがみ?何それ。」
やれやれ、正義感は人一倍だが、恋愛に関してはちょっと鈍いらしいな・・・。
「まあ気にするな。それよりさっさと宿舎に向かおうぜ。」
「そうだね。じゃあ行こう!!」
ふぅ、やっとこの国についた・・・。さてこれからどうなるか。
あっという間に死体を野にさらす事になるのか、それとも英雄になるか。
まあ、ハジメと一緒なら何とか生き抜けはできそうだが・・・。
「早く来ないと置いていっちゃうよ〜」
もうあんな遠くでハジメが呼ぶ。
「わかったわかった。今すぐに行く。」
もう日が陰ってきていた。さあ、これからが出発だ。
せめて永住できるように何とかガンバらんといかんな。


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第2章へ山縣さんの連載SSです軽快なテンポが、とても好きです♪
 さあて、これから先が気になりますね〜(わくわく)
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あきゅろす。
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