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side→ 海



「昨日ドリーム見たんだけどさ、エックス新しい歌詞出してた!」
「……、まじでか!」
「……いやお前の方こそその反応まじありえないんですけど」


僕の名前は海(カイ)。篠原、海、私立高1年だ。…んで隣で騒ぐ奴が篠原翔(シノハラショウ)。一応僕の弟(と言っても双子だから年は同じ)で、そしてちょっとした『有名人』。










「だってそのエックスって奴にあんまり興味な「ショウーーーーー!!!」」


大して興味がない、的な事を言った僕の声は翔のファンによって見事に掻き消された。…何故か僕らを抜いた筈の車が猛スピードでバックして来る(交通違反ですよ)ので僕は早めに翔の隣から離れる。
因みに現在僕と翔は同じ高校への登校中で二人とも自転車をこいでいる。つまりは僕は車道を挟んで反対の自転車道に離れた訳で。
翔が、“見捨てる気!?”……とか叫んでたような気がするけどまあ聞こえなかった事にしよう。


……どうせ僕には全く無関係な事なのだから!


そう思いながら翔を見ると、車からふやけたような締まりの無い顔を晒して奇声を発しまくる若い女性ファンを相手に、チャリをUターンして猛スピードで小道へと逃げ込んでいるところだった。
ご愁傷様。と苦笑いでその姿を遠巻きに見ながら、車に乗っている翔のファンに絡まれる前に早々にその場から離れた。





“ショウ”と名乗り、地元で結構有名なバンドのボーカルをやっている弟は今日も苦難の朝らしい。

…ま、僕には関係のない事だから毎回ノータッチで済ませてるけどね。













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