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銀黄の翼は天に舞う
《銀鈴騎士団》A

 ―――ックション!



(誰かが噂してるのか?まぁ、誰だかだいたい検討つくけど……)

 自分の考えが確実に合っているという確信の中、カイクはたまらずため息をついた。

 それに気付いた少女が、不思議そうに首を傾げる。

「あ、いや大丈夫。どうせどっかの二人組が何か悪巧みでも相談してるだけだろうから」

「そうですか」

「とりあえず、君の置かれてる状況はわかってもらえてる?」

「えぇっと…左手のこれが〈エルナの瞳〉っていうアーティファクトで、よくわからない集団に狙われてて……だから教会の方で保護される?」

「まぁ、だいたいそんなこと。今は大まかに概要をわかってもらえてたらいいよ。で、俺が君の護衛役になるカイク・ログヴァード。エルモ=ウェルナに所属する僧兵部の司祭だ。君には俺の仕事にも付き合ってもらうことになるけど…」

「大丈夫です。特に目的地決めてなかったんで…あ、チェルシー・リアンツァっていいます」

 そう言って、少女―――チェルシーは右手を出した。

 が、すぐにまた首を傾げる。カイクが、何やら驚いたような顔をしていたのだ。

「あのー、カイクさん?」

「へ?あ、うんゴメン。よろしく」

 慌てて笑顔を造り、差し出された手を握った。

 まだどことなく不安そうにしているチェルシーに気付き、気分を一変させる。

「それと、『さん』って付けなくていいから。あと敬語もナシ。堅苦しいのは苦手なんだ」

 カイクが笑いながらそう言うと、チェルシーはキョトンとした顔になる。

 そして―――

「はいっ!」

 嬉しそうに満面の笑みを見せた。


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あきゅろす。
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