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小説3 (御曹子×トリマー)
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「なんでパジャマ一枚で外に出たんだ。どれくらいあそこにいた?」

「いろいろ考えてたら、眠れなくなって…。庭に出たのは明るくなり始めたころだから、そんなに長い間じゃないと思う」

柊はあ然として那月を見た。

今の季節、明るくなり始めるのは6時前後だ。
そして、柊が目覚めたのは、7時のはずである。

だとすると、パジャマ一枚で一時間もあそこに座っていたことになる。

もし柊がいつも那月を起こす時間(8時)まで気付かなかったら、凍死、とまではいかなくても、寒さで気を失うくらいはしていただろう。

「雪の降るなかにパジャマ一枚で1時間というのは、短い間じゃないと思うがな」
「…ごめんなさい」

「怒っているわけじゃない。…何をそんなに考えていたんだ?」
「うん…」

那月が考え込むように膝を抱えなおす。

柊は再び那月の肩に湯をかけようとして、背中の傷に気が付いた。
華奢な左肩の後ろから右の腰までの、かなり大きな傷だ。

そっと指で触れると、びくっと肩を揺らす。
「ああ、済まない。嫌だったか」

那月が小さく首を横にふった。

「小さい時にした、怪我なんだ」
「そうか」

湯の中で、那月の体がうっすらピンク色に染まり始めた。
本人は気付いていないようだが、ひどく扇情的だ。

柊の鼓動が早くなる。
これ以上一緒にいたら、またキスしてしまいそうだ。

今でさえ手で触れるとビクッとするくらい嫌がられているのに、もっと嫌われてしまうだろう。

それは、柊の望むところではない。

立ち上がり、バスルームのドアを開けた。

「着替えを用意してくる。もう少し温まっているといい」
背中越しにそう言うと、

「柊さん」
那月に呼び止められた。

「なんだ」
「どうして僕にキスしたの?」

思わず、立ち止まってしまった。

「僕が、何もできないくせに柊さんにまとわりついて、邪魔ばかりするから、それで怒ってキスしたの?」

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あきゅろす。
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