[携帯モード] [URL送信]

小説1 (高校生狼男×高校生占い師) 完結
27
「あっ」
上半身が少し浮くような形になって、挿入角度が変わったのだろう。
細い腰がピクッと揺れた。

「こうすれば、少しは怖くなくなるだろう?」
「んっ…んっ…」

小刻みに腰を動かしてみると、ぎゅっとしがみついてくる。

俺の腹に雅のペニスが擦れる。
それはしっかりと勃ちあがり、先走りを零れさせている。

「蓮っ、れん…もっ…いっちゃ…」

俺ももう限界だ。
雅の中で、ペニスを大きくスライドさせて、最奥を突く。

「あ、あ、あ―っ」

雅が俺の腹に放ったのと同時に、俺も雅の中に精を叩きつけていた。


〜〜〜〜〜〜〜


カーテンの隙間から差し込む光に目を覚ました。
雅が腕の中で眠っている。

俺がどんなに満ち足りた気持ちでいるか、きっと誰にもわからないだろう。

雅の髪を撫でながら、ぼんやりと考える。

俺たちがこうなったことを、尚さんや奏さんに知られるのは、時間の問題だろう。

きっと、大騒ぎになって、俺はこの家を追い出される。
そのときに、雅を連れて行けるだろうか。

もちろん、そんなこと尚さんや奏さんが許すわけないから、二人で駆け落ちのようにここを出ることになる。

狼男の能力があれば雅と食べていくことくらいできるだろうが、日下部の家にいるときのように、何不自由なく、というわけにはいかない。

学校にも通えなくなる。
それは、雅にとって不幸なことじゃないだろうか。
やはり、俺は一人でここを出ていくべきだろうか。

雅に会えなくなることを考えただけで、身動きが取れなくなるくらい、苦しい。

「僕も、連れて行って」
突然はっきりした声が聞こえて、びっくりして腕の中を見た。

大きな瞳をきらきらさせて、雅が俺を見上げている。
「何?」
「蓮がここを出るなら、僕も一緒に行く」

「今までみたいな暮らしはできないぞ。学校にも通えなくなる。辛い暮らしになるかもしれない」

「どうして?蓮と離れるほうが、僕にとってはよほど辛いよ。…それにね、蓮は僕のこと食べさせてくれるつもりみたいだけど、僕だって働ける。読未示だもの、街角で占い師くらいできるよ」

思わず雅を抱きしめた。
「もうここへは戻って来られなくなる。尚さんにも会えないぞ。後悔しないか?」

「しないよ。蓮と一緒なら平気」
俺の胸に顔を擦りつけながら答える声は、はっきりとしている。

長いまつげがくすぐったくて、雅の体を、顔の位置が同じになるようにずり上げた。

しばらく遊びのように唇をついばみあった後、俺はふと疑問になる。

「なあ」
「ん?」
「どうして、俺の考えていることがわかった?」

「んー、どうしてだろう?蓮と体をつないだから、かな?尚さんや朱牙くんが言っていたことが、今朝になってよくわかった」

「尚さんや朱牙?」
「うん。蓮は考えていることが、顔にはっきり出るって」
「そうか」

それなら俺が今、どんなに雅を愛しく思っているか伝わるはずだ。

「ん、僕も蓮が大好き」
どうしよう、食べてしまいたいくらい、かわいい。

その時、雅の腹が盛大な音をたてた。
「おなか、すいた…」

それはそうだろう。
昨夜は食べたものをすべて吐き出してしまっている。
胃の中はからっぽのはずだ。

「起きられるか?」
「うんっ!…うぅ…」

勢いよく起き上がろうとした雅は、うめいて体を丸め、俺の腕の中に戻ってきた。

「何か持ってくるから、もうしばらく寝ているといい」

俺は雅からそっと腕を離して起き上がり、素早く服を身に着けた。

「うー、どうして、僕だけ?蓮は何ともないの?
「雅があんまりかわいいから、昨夜は無理をさせすぎたんだ。初心者向きのメニューじゃなかったからな…ごめん」

[*前へ][次へ#]

27/86ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!