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作品1-2
:すピか 2/9 18:10
【お待たせしました(x_x;)!】
「いい湯じゃな〜鬼太郎…」

「そうですね〜父さん…」
鬼太郎と目玉親父は、
久しぶりに親子水入らずで、墓場温泉に来ていた。
 
砂かけ婆を中心に、
妖怪横丁のみんなが、
悪い妖怪たちの浄化に追われ、忙しい鬼太郎親子を見かね、
たまには親子水入らずで何処か出掛けてリラックスしてきなよと勧めたのがきっかけだ。
 
にしてもこの温泉、
墓場の底から湯が沸き上がる有名な心霊スポットにも関わらず、幽霊ブームに乗り、興味本意で来ている人間は沢山いて、賑やかだ。
 
「ほらっ、鬼太郎!」
 
甲高い声の先に、何処で覚えたのかシンクロナイズをする目玉がいた。
 
「わぁ、凄いです父さん!」
 
「そうかの〜♪」
 
可愛い息子に誉められた目玉親父は、お湯の中で足を出したり入れたり、くるくると回ったり…
これまた何処で習得したのか見事な技を調子に乗りつつこなした。
 
コツン!
 
「うわぁ!?」
 
技に熱中して前を見ていなかった目玉親父は、前にいた男の子の背にぶつかってしまった。
 
「あっ、父さん…」
 
鬼太郎はのびた目玉を両手ですくい上げると、男の子に頭を下げた。
 
「ごめん…」
 
男の子は振り向き、鬼太郎と目玉を見て、笑った。
男の子はくせ毛の黒髪で整った精悍な顔つき。目は大きいがその目はどこか冷淡さを感じさせる子供の目とは思えない鋭い眼光だが、鬼太郎達を見た途端その目は一瞬で隠れ、先程とはまるで変わった暖かい表情で笑った。10代前半に見えた。
:すピか 2/9 18:55
【爆弾投下継続します←】
「あぁ、いいよいいよ。
でも、この温泉でそのオモチャで遊ぶなんて、君よっぽどお化け好きなんだね」
「え?あ、あはは…」

父さんをオモチャと言われ、鬼太郎は複雑な気持ちで微笑した。

「本当によくできたオモチャだのぅ…まるで生きているような……
わしにも見せてくれ」

いつから居たのか、老人がいきなり鬼太郎から目玉親父を摘まみ取り、ギュッと握った。

「イッタタタ!!」

強く握られ、目玉親父は飛び起きて悲鳴をあげた。

「あぁ!やめて下さい!……って!!お前は…」

鬼太郎は目玉親父を奪い返そうとし、老人の顔を見た。湯けむりに包まれた老人は、まぎれのないデカアタマ…ではなく、デカブツのぬらりひょんだったのだ。

「ハハハハ!鬼太郎、甘いな!親父は頂いたぞ!!」

そう言うと、ぬらりひょんは何処からともなく爆弾を取り出し、温泉の中に放り込んだ。

ドォォオオオン!

すさまじい光と爆発音に
鬼太郎たちはなすすべなんてなかった…

「父さーん」

鬼太郎は叫んだ。
力の限り!
だが、爆発した温泉跡にはその場の状態が掴めず、
ポカンとスッポンポンで立ち尽くす人々が続出するばかり…


なんて恐ろしい相手なんだぬらりひょん!

言うまでもなく、嫌な予感がスッポンポンの鬼太郎と、スッポンポンの男の子の脳裏を走り抜けた。
:あおい 2/12 17:12
【二番手いきまーす】
「………大変だ!ぬらりひょんのヤツめ。今度は何を企んでいるんだ!」

暫くこの状況に思考が止まっていた鬼太郎に、ゆっくりと時が流れ始めた。

「………………」

隣で背が鬼太郎より同じくらいか少し低い男の子は、じっと空を見つめていた。その顔は絵になりそうだが、相変わらず下はスッポンポンである。もったいない。

「早く横丁に戻ってみんなに知らせないと!」

と、鬼太郎は急いで数分前まで脱衣場だったところまで走り、瓦礫から自分の衣類と下駄を手探りで探しあてた。そして、焦る気持ちを抑え横丁へと走り出した。
数分後、かつて温泉だった瓦礫の山にはガヤガヤと人間達が慌ただしく携帯で連絡をとったり、まだ呆然と立っていたりとパニック状態である。
そこには警察に状況を淡々と話す、先程の男の子がいた。

「…はい。あれは爆弾強盗です。オレぐらいの子供から目当てだった人形を奪って逃げました。えっと、その人形の名前は『父さん━━━━━━━




 いつもほのぼのとした空気が流れている妖怪横丁。だが、今は異様な雰囲気に包まれわやわやと広場に妖怪だかりができていた。その中にいたかわうそが、横丁の入り口から走ってきた鬼太郎を見付け

「みんな!!大変だ!!父さんが━━「うわー!これで4人目の鬼太郎だぞー!?」

「…え?」

鬼太郎は自分の言葉を遮られ、走っていた足を止めた。突然のかわうその言葉が理解が出来なかった。鬼太郎はそんな場合ではないのに、とゆっくりと歩きながらかわうその言葉を考えていた。妖怪たちは不思議なものを見るように、歩いてくる鬼太郎を見て道を開けた。

そして妖怪だかりの中心で鬼太郎が見たものは…


3人の同じ片目のちゃんちゃんこに下駄姿の鬼太郎だった。


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あきゅろす。
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