習作(消火器)
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そう言えば、つい先日行われた隣国の王子の結婚式は、大層立派で盛大なものだったそうである。
そこで最も皆の注目を集めたのは、なんと言っても花嫁だったという。
なんでも、王子が森へ狩りに出て「拾ってきた」、まるで何処かの国の姫のような花嫁で、肌は雪のように白く、頬は血のように赤く、髪は黒檀のように真っ黒な、年若い美女であるという話だ。
あの憐れな少女は、どうなっただろうか。
獣に食われてしまったか、飢え死んでしまったのか。
それとも、拾われた花嫁のように、何処かで幸せになっているだろうか。
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