[携帯モード] [URL送信]

リレー小説第弐
9
「さて……」ギルバートが口を開いた。「皆さんにお集り頂いた所本当に申し訳ないのだが、実は、南部独立同盟は我々の指導下にあり、ここ数年の北部との対立は作られたものだ。全てはある計画の為に用意されたシナリオである……」周囲からざわめきが起こった。「あなた方には我々の目的を達成する為の駒となって貰った。それでは……ニュープラハ議会はこれより、アッシャーの灯評議会と改称する」
「“アッシャーの灯”だと? ギルバート・フィリップス、お前は一体何を考えているんだ」議会の中央付近で男が一人立ち上がった。
「リチャード・クーパー、着席しろ」
「議長が承諾したと言うのか、その事を。議長が行方不明になってから二ヶ月が経った。お前は、議長の居場所を知っているとでも?」
「退場しろ」ギルバートの一言ですぐに兵がリチャードの元に駆け寄り、力ずくで議場から連れ出した。

 『喪失者』を配置しておいて正解だったようだ……二時間後、ギルバートは呟いた。反対者は拘束され、アッシャーの灯評議会は完全な状態に整った。次の段階に、移らねばならない。“アッシャー”の為に。我々の為に。

[*前へ][次へ#]

9/13ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!