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Slaughter Game(外村駒也)
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「こないだの模試、どうだった」
 ケンヤが徐にユウタに話しかけた。
「……その話題は止めてくれよ。絶望的さ。国公立大は、全て再考圏だよ」
「東大もE判か。まあ、初めから俺らには無理があるけどな」
「ってことは、お前も駄目だったのか」
「へへっ、まあ、分かってた通りだ」
 二人は、小学校前からの幼馴染で、高校まで同じ所に通ってきた。その夜は塾を終えて、二人でファーストフード店に寄っての帰りだった。
「ところで、最近、この辺りで行方不明になる人が多い、って話だぜ」
「どこで聞いたんだよ、ユウタ。ニュースでもやってないぞ」
「ほら、マキオだよ。あいつ、族に知り合いがいるから」
「つーか、ほとんど族だろ。まあ、あいつは確かに裏事情には詳しいけどな」
 と、ケンヤは笑った。
 二人が、近所の公園に差し掛かった時だった。
「ちょっとそこのカッコいい彼たち。はい、止まって」
 その声は、二人と同じ高校に通う、髑髏党という暴走族幹部待遇の本間タツヤだった。二人の肩にかかった腕の刺青がそれを示していた。
「こんな時間になに駄弁ってんの、え」
 二人が答えを返す前に、拳が額に飛んだ。
「っ、ぐぁっ」
「空手の四段も大したこたぁねえな、え。それとも手加減か。ふざけろよ」
 タツヤの二度目の拳がケンヤに飛んだ瞬間だった。不意にタツヤが呻きを漏らし、突っ伏した。それと時を同じくしてユウタとケンヤの後頭部にも激痛が走った。掠れ行く意識の中で、ユウタは、自分が例の事件に巻き込まれたのでは、と悟った。


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