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Slaughter Game(外村駒也)
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 銃声がした。
 死を覚悟して、目を固く瞑っていたが、痛みを感じなかった。
 マキオが目を開けると、呆然とした表情の本間が、床に頭から倒れこんだ。
「……て、てめえが撃ったのかぁ」
 本間がぼそぼそと話す声がする。
(俺が撃つ訳がねえだろ。トカレフに触れもしなかったんだからよ)
 見ると、本間の首筋から、勢いよく血が噴き出している。辺り一面を、血が真っ赤に塗りたくっていた。
「……お、俺ぁまだ、し、し、死にたくぁねえ……」
(……こりゃあ、間違っても死ぬだろ。ち、ちょっと待てよ。マジで人が死ぬゲームかよ。お、俺は嫌だぞ)
 本間の死に怯える様子は、マキオの足をも震えさせた。
 そのとき、彼の目に一つの物が飛び込んできた。
(……本間さんのXD)
 マキオに迷いはなかった。彼は本間のXDを取り上げ、懐に仕舞った。
「……マ、マキオぅ……」
 本間が呼びかけている声がするが、マキオは無視を決め込んだ。
(いまさら、死にかけている人間にしてやれることなど何もない。ましてや、本間はもう少しで自分を殺す所だったじゃないか)
 マキオは自分の心にそう言い聞かせた。
 不意に、彼は後方から足音が聞こえてくるのを感知した。感知した、というのは、実際に聞こえたかどうかはともかく、直感的にそういう音がした、と思ったのである。
 マキオは、本間に一瞥をくれてから、足音とは反対側の方へと、痛む足を引きずりながら、早足に歩き去った。


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あきゅろす。
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