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境界線上のエリア (薩摩和菓子)
止められない電話
その日の夕方。帰りの電車の待ち合わせ時間に椎は来なかった。携帯に掛けても不在の旨を伝えるばかり。二十分程駅で待っていると、電話が来た。発信元は椎の自宅。椎の兄だった。
「今どこにいるか」
急に聞かれる。
「椎の学校の最寄り駅です」
「そうか。実は今、学校から連絡があって、」
「どうしたんです」
「椎は、死んだらしい」

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