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十五年越しの殺意(外村駒也)完
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 翌22日の朝7時、武井と小川は世田谷区にある大谷清志の家へと向かった。
 別荘をいくつも持てる資産家だけあって、大谷の自宅は立派であった。
 大谷の妻は6年前に他界しているため、今この家は持ち主がいない状況になっていることになる。
 許可を貰った二人は、早速家の中へと入って、捜索を始めた。
「……なかなか見つかりませんね。綺麗に整ってはいるんですが、やはり別荘の利用者名簿は持ち去られたんじゃありませんか。」
 小川が半ば諦めた感じで言った。
「いや、残っている可能性はあるだろう。利用者名簿は、大谷にとって大切な顧客名簿でもあっただろう。だから、コピーなどをとって仕舞っていたかも知れない。」
 そう言いながら、武井はしきりに足下を気にしていた。
「どうしたんですか、警部。床下に収納スペースでもありましたか。」
「冗談ではなく、あるかも知れないな。ここの所が少し、下が空洞になっている様な気がするんだが……。」
 と、武井は言って、敷いてあった絨毯を剥がしてみた。
 案の定、床が取り外せるようになっていて、その下に書類がたくさん積み重なっていた。
「この中にありますかね。」
「あって欲しいと思っているよ。」
 武井は中身を取り出して、小川と二人で確認作業に入った。しかし、その分量があまりにも膨大である。ゆうに千枚は書類があっただろう。
全ての確認を終えた段階で、時刻は午後1時を回っていた。
 二人の手もとには、3枚ほど名簿のようなものが残っていた。
「これらの内のどれかだろうか。この中に無いとすれば、やはり持ち去られたと考えるべきだろう。」
「はい。とにかく警視庁の方に戻って、詳しく見てみましょう。」

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あきゅろす。
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