十五年越しの殺意(外村駒也)完 ページ:2 翌日、津野は15年前の宮田中の同窓生の何人かと会って、話を聞いていた。 「彼らに共通したことですか。難しい質問ですね。仲が悪かったという話は聞かないのですが、かといって仲が良かったかどうかは分かりかねますね。」 「そうですか。彼らが同じ部活に行っていたということはありませんか。」 と、津野は聞いてみた。 「そうですね。あまり良く覚えていませんが、確か、松田君と山口君はホッケー部でした。それから、えっと、近藤君と中田君がバスケ部だったんじゃありませんか。近藤さんはダンス部で有名でしたけどね。」 「なるほど、そうですか。」 津野はそう言って、5人の所属した部活をメモしていった。 「共通の友人というのはいますか。」 「流石にそれは分からないですね。」 「近藤夫妻は同じ高校でしたが、他はみんな異なるところに進学していますね。その後の交友関係があったかは分からないですよね。」 「交友自体はあったと思いますよ。」 そう言われて津野は、 「なぜですか。」 と、聞いてみた。 「確か、彼らはみんな3年C組だった筈ですが、3Cは在学中から、地域の外国人を中心とするサークルに参加していたんです。」 「それが、卒業後も続いていたということですか。」 「そうです。僕も何回か参加させて貰いましたけど、彼らは全員いた様な気がしますね。」 「誰が継続的に参加していたか分かりますか。」 「僕は分からないですけど、当時の福祉委員なら分かるんじゃありませんか。」 そう言って、その人の現在の住所を、津野は教えて貰った。 [*前へ][次へ#] [戻る] |