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十五年越しの殺意(外村駒也)完
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 次に武井は、近藤夫妻の司法解剖と、DNA鑑定を行った医師との面会を行った。
「二人の遺体の解剖前の状態を見せて頂けますか。」
 武井がそう頼むと、医師は写真を何枚か持ってきた。その内の3枚は、現場である能登島で撮られたものであった。警察側で撮ったものとは異なる写真であった。
「私が最初に見たとき、正直言って寒気を覚えましたね。医者として、何度も解剖を行ってはいるのですが、あまりにも無造作に破壊されていました。」
「司法解剖において、何か不審な点はありましたか。」
「特にありませんね。強いて言えば、すべてが不審なのですが。唯一つ困ったのが、致命傷となりうるものがあまりにも多かったので、死亡時刻の判定と死因の特定は難しかったです。」
 と、医師は言った。
「しかし、一応結論には達した訳ですよね。」
「それが非常に微妙なところで、おそらく解剖の度に結果が変わるのではないかと思うのですよ。」
「それほど酷かったということですね。」
「まあ、そういうことになります。」
「これらの写真は、頂いてもよろしいですか。」
「もちろん構いません。ネガは残してありますので。」
 武井は写真を受け取ると、医科大病院を出て、再び和倉温泉へと戻って行った。

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あきゅろす。
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