十五年越しの殺意(外村駒也)完
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「本当に辞めるんですね。」
部屋を出て行った元西を、杉山が追いかけて聞いた。
「ああ、もちろんだ。昨日も言った通りだ。何も後悔はしていないさ。」
「これからどうする心算なの。」
「うーん、まだ決めてはいないけど、やっぱり私立探偵にでもなるかな。ここで刑事を続けるよりはましだろうな。」
「でも、これからは警察としての特権はなくなるから、捜査は簡単じゃないわよ。」
「分かってるさ。とにかくもう決めたことなんだ。杉山もがんばれよ。ただ、俺みたいに、警部に反抗するのはやめとけ。それと、刑事を辞めたとはいっても、俺は今回の事件は、自分の手で解決して見せるからな。」
元西はそれだけ言って、車に飛び乗って去って行った。
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