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十五年越しの殺意(外村駒也)完
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「……つまり、松田は、会社側で特に後ろめたいことはやっていなさそうだったということか。」
 と、原口は聞いた。
「はい、どうもそのような感じでした。」
「栗原の方はどうだったんだい。」
 と、鈴木が聞いた。
「おそらく関係性はないと思われます。事実を知ってかなりショックだったみたいですから。」
「しかし、演技だったということも考えられる。まだしばらくは、様子を見ていこう。」
 と、原口が言った。
「それから、松田の会社の件だが、彼が携わっていた仕事について調べてくれ。彼が管理していた情報もだ。」
「それはつまり、まだ栗原が犯人だと思っているということですか。」
 と、部屋にいた元西が聞いた。
「もう警視庁側は、栗原犯人説を捨てているみたいですよ。」
「確かに、身代金請求の事件に関しては、栗原はシロかも知れない。それから、山口健太の殺害についても同様だ。しかし、松田隆文に関しては、彼のアリバイは証明されてないし、状況証拠からすれば、彼はまっクロだ。」
 と、原口は言った。
「しかし、中田俊が行方不明であることも考慮すると、一概に栗原が殺ったとは言いがたいですよ。中田が逃亡したという考え方もできますから。」
 と、元西はなおも食い下がった。
「とにかく、今は栗原を第一容疑者として調べていくんだ。」
 と、原口は命じた。


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あきゅろす。
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