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十五年越しの殺意(外村駒也)完
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 警視庁側への電話も全く同じ内容だった。
「一応犯人の指示通りに動こう。ガワさんは、私と一緒に尾行をするぞ。県警にも、1台だけ尾行をつけるよう言っておいた。尾行が多くても警戒されるからな。いいか、今からが本当の勝負どころだ。犯人の居場所をつかんで一斉逮捕する最初で最後の機会かもしれない。抜かりないように。」
 と、武井は言った。
 5千万円の現金は吉岡刑事に持って行かせ、武井と小川は警視庁の裏口から出て、覆面パトカーに乗り込んだ。運転をするのは小川刑事だ。武井も免許は持っているが、不慣れなことに変わりはない。
「確か、シルバーのライトバンでしたね。」
 と、小川が確認した。小川は警視庁の横の曲がり角に車を止めて、様子をうかがっていた。
「吉岡刑事が出て来ましたね。えーっと、車のナンバーは……横浜500の37-44です。」
「向こうが動き出したな。こっちも追いかけ始めるぞ。」
 シルバーのライトバンは国道をひたすら北へと進んでいた。武井の携帯電話が鳴り出した。
「もしもし、こちらは神奈川県警の元西です。」
「ああ、元西君か。そっちはどうだ。」
「はい。先ほど5千万は相手側に渡しました。シルバーのライトバンに積まれていますが、ただいま尾行中です。ナンバーは横浜500の28-63です。」
 と、元西は言った。
「その車は、どの方角に向かっているんだい。」
「国道を西のほうへ向かっています。そろそろ藤沢です。」
「西なのか。北の間違いだと言うことはないのか。」
 と、武井は聞いた。
「いえ、間違いなく西へ向かっています。」
「そうか。一体どういうことなんだ。こっちはひたすら北に向かっている。浦和を抜けるところだ。同一犯で無いということは有り得ない筈だが。単に私たちの目を眩まそうとしているだけなのだろうか。」
「もし彼らが接触するとしたら、北陸地方ということになりますね。こちら側は、愛知、滋賀、福井などを、警部の方は、関越自動車道などを経て、石川あたりで合流するんじゃないでしょうか。」
 と、元西が言った。
「そうかも知れんな。とにかく、撒かれないように気をつけてくれ。」
 と、武井は言った。


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あきゅろす。
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