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十五年越しの殺意(外村駒也)完
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「何。栗原について証言してくれた山口が殺されたというのか。」
 と、原口警部は驚いた様子で言った。
「はい。彼の自宅の方へ伺ったところ部屋が荒らされていたので、警視庁の武井警部にお話ししたところ、身元不明の死体が見つかっているとの事で、写真で確認したのですが、どうも山口らしいということでした。」
 と、元西は言った。
「そうか。このままだとまずいな。栗原の勾留期限が近づいている。仮釈放しなければならないかも知れん。とにかくこの件については、警視庁と合同捜査ということになるだろう。」
「合同捜査に関しては、一応武井警部に話しておきました。」
「わかった。今日中にでも、私の方から連絡を入れよう。」
 と、原口は言った。

「……ということで神奈川県警との合同捜査になります。」
 と、武井が言った。神田刑事部長は渋面を作って言った。
「そうか。ただ、あくまでも捜査の主体は県警側だから、変に首は突っ込まないでくれよ。」
 神田は明らかに不機嫌そうである。
「神奈川県警は、警察の上層部とのつながりが非常に大きいんだ。今の警視総監だって、元は県警の人間なんだ。下手な事をして、お咎めは受けたくないんだよ。僕の身にもなってくれよ、武井君。」
 神田刑事部長は、部下には非常に厳しいが、お偉いさんには頭が上がらない性格である。部長としては最悪だ。
「分かっています。協力要請に従って動けばいいんですね。」
 と、武井は言った。
「ああ、そうだ。捜査の指揮は一応すべて君に任せるから、頑張りたまえ。」
 と、神田は最後に言った。


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