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残る爪痕 血脈の果て (薩摩和菓子)完
「霧中」 遠征三日目 正午 レトフランシェ
今。昨夜と同じ音が、それも以前よりはっきりと聞こえる。音が、二つ。
一つ目は、鳩の、断末摩の叫び。
二つ目は、鷹の、滑空、風を切り裂く音。
鳩。
鷹。
分かった。霧の中で、何が、起こっていたのか。
私はこの事態を知らせるため、急いで二つの雁信を記す。それをノース州から一緒に上洛した側近、コラージュに託した。鳩ではなく鷹でノース州まで運ばせるようにと言付けておく。

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あきゅろす。
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