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彼等は反逆し得るか? (kankisis) 完
葬礼
「ギルナ、オドグとかいう外交官がお前に用があるってさ」ディヴァンが言った。
「そうかい」
「事務棟の第八執務室にいるってさ」


 軍は旧ネイツ王国の首都ヘルフスクに侵入した。
「敵は逃げ腰だ! 恐れるな! 進め!」
 トルカセニレからの義勇軍は大部分が島に戻る艦隊に乗って行ったが、残る事を選択した者達はよく戦っていた。
 味方の空中砲台が帝国の防衛部隊の布陣を伝え、陸軍が弱点を突いた。コスクで合流した王国の国境合同部隊も戦っていた。すぐに防衛部隊は崩れ、ヘルフスクは解放された。
 軍はこのまま、レービスへ向かうという話だった。


 盾はまだ、フォルザイルを惹き付けていた。何か、意志を持っているような、そのような感覚があった。俺はレービスへ行く。そして?
「そしてすぐに」「そして」これは誰の言葉だったか?


「これを見てみろ」オドグは書類を差し出した。
「なぜ俺に?」
「ズヘニグという男の書いた資料と、お前の兄のミエルクが残したレービスについての記録だ」
「……ここに行けと? なぜ俺が……国境合同部隊に行かせればいい話だ」
「国境合同部隊は今トスキールと共にトグレア連邦を解放しようと頑張っているよ……君達の王立親衛隊に是非行ってもらいたいんだよ」
「だがレービスは今は帝国領だ。王立親衛隊は帝国の兵を押し退ける程の力はない」
「大丈夫だ。ノメイル方面の境界守備部隊を呼んである。それに、帝国はトスキールとの戦闘で忙しい」
「出発は」
「一ヶ月後だ」
「俺はまだここにいる……このエルス城に……だが、俺はもう何もする気はないからな」

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