[携帯モード] [URL送信]

War Chronicle of Toskiel(紺碧の空)完
:決闘
「アイグレット艦隊はどうか?」
「あのでかい奴から煙が出てます。うまくやってるんでしょう……隙を見て我々の船団も出港します。公王さんも、早く乗って下さいよ」
「オレは最後の船に乗るよ、レオナルド。公王が先に逃げるなんて、本末転倒だろう?」
ヴェスヴィオスは、次々と乗船して行く難民を眺めている。
「それなら、俺様と同じ船になりますな」
ラインハルトも公王の隣に立ち、港を見渡す。
「頼まれたからには、全員脱出させてご覧に入れますぜ」

「何としても逃がすな! アイフェルの虐殺者を殺せ!」
逃げ場を失ったトスキール軍に向かって、ローゲン軍が猛攻をかける。先頭を行く騎兵隊の中に、レヴァリーがいた。
「敵将を取れば奴らは総崩れになる。一気に突破するぞ!」
騎乗している巨大なトカゲに鞭を打ち、全速力で敵陣を駆け過ぎる。ほとんど抵抗もなく、本陣まで辿り着いた。
「出てこい、将軍よ! 我こそは、トスキール征伐特命部隊隊長レヴァリー・シュヴァルベである!」
剣士隊が盾で守りを固める中から、一人の少年が進み出た。
「僕がトスキール陸軍将軍、フェルドランスだ!」
「こ……子供!? 予想以上に幼い……」
「子供じゃない! これでも先週十八になったんだぞ」
そう言うと少年は長剣を構え、レヴァリーに対峙した。だが、レヴァリーはためらっている。
「どうした! お前も剣を構えろ」
フェルドランスに促され、レヴァリーもゆっくりと剣を抜く。二人は一瞬の沈黙の後、互いに飛びかかって切り結んだ。


[*前へ][次へ#]

4/5ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!