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War Chronicle of Toskiel(紺碧の空)完
:起動
「これは、一体なんなんだ?」
黒光りする剣を持ち上げた時、レヴァリーは再び身震いを感じた。違う。やはり剣が震えているのだ。試しに今までの自分の剣を触ってみると、紙を切るように、すっぱりと切れてしまった。ついでに剣を立てかけてあった壁まできれいに裂けていた。
「……」
気付いた時には、剣は振動を止めていた。柄を見ると、奇妙な紋章が刻まれていた。
「不気味だな」
レヴァリーはそれをそっと鞘にしまった。

「起動パルス発信準備」
「電極確認よし」
「出力確保、反応液濃度上げろ!」
「固定装置解除、空中砲台離陸」
「上部防護扉開け」
「起動パルス発信」
「確認急げ!」
「拍動確認、起動しました」
「技官は退避しろ」
「ゲハイムニス計画、完了……!」

「あれは!?」
轟音とともに火山の火口が割れ、空中砲台が浮上した。その下から姿を現したのは……。
「な、何なんだあれは!」
どう形容してよいのだろう。ぶよぶよの皮膚。大きな四枚の、天使のような翼。無数の足、無数の眼。四枚が合わさった嘴。ひとえに言えば、化け物だ。
「で、でかい!」
気球の上から見ても、そいつはとんでもない大きさだった。
「艦長、指示をお願いします!」
ルフトツークは腰を抜かしてしまっていた。


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