War Chronicle of Toskiel(紺碧の空)完
:火山
廃都となったイースラークを越えて元ネーズル王国のカレオロトニム地方に入る頃には、志願兵や武装組織の参入により連合軍は再び膨れ上がっていた。
「あそこに見えるのがレービス火山だ」
ハイビンダーが指差した先の山は黒煙を吹き上げていた。山の麓には、どうやら帝国軍の広大な拠点があるらしい。
「あれが、兄さんが目指した場所……」
ヴェスヴィオスは何か邪悪なものを感じた。間違いない、帝国の、いや、フューラーシャフトの企みはあそこにある。