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War Chronicle of Toskiel(紺碧の空)完
:獣人
「こいつは、ガゼルだな」
ハイビンダーが男の紅く濁った眼を覗き込みながら呟いた。
「ガゼルって何だ? どうしてお前が知ってるんだ」
「こいつはノメイルに棲む……何というか、種族だな。昔山賊の仲間にノメイルの元傭兵がいてな、そいつから良く聞かされてたんだ」
驚きの声を上げながら公王はガゼルを観察する。
「それが何故ここにいる?」
「そいつの話では、ガゼルはノメイルの中ですら移動を制限されていたというからな。どうもおかしい。それにこの目隠しは一体……」
「公王陛下!」
「どうした」
「騎士隊の中に、昨夜上空に巨大な影を見たという者があります。気球だと思って気にしなかったそうですが」
「あのルフトツークがローバスルを飛ばしていた筈は無い……帝国軍か!」
これがネレイデの言う“企み”なのだろうか? それならば、なんとしても奴らを阻止しなければならない。
「前進を再開する! 各員、対空警戒を怠るな!」
フェルドランスの掛け声でネーズル軍を除いた連合軍は動き出した。


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あきゅろす。
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