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War Chronicle of Toskiel(紺碧の空)完
:変遷
一方、カリギュラは思い悩んでいた。実は、皇帝から「決して戦争をしないように」と念を押されていたのである。帝国とて、度重なる戦争で国力が疲弊していたのだ。
「どうすれば……どうすればいい?」
彼は、愚かだった。なんと、開戦の事実を隠蔽しようとしたのである。この動きのせいで、帝国は大きく遅れをとる事になった。

翌日。本閣で、第二回の最高閣議が始まった。
「帝国の動きは?」
「全然ありません」
「なるほど……やはり、思った通りだ」
(嘘つけ)
「ですが、時間がないのは確かです。帝国消息筋の説明によると、奴らの軍は最低一ヶ月で十万人を動員できます」
「そうか……フェルドランス、帝国軍が来るとしたらどこだ?」
「おそらく、カラズ・ランドセスかアイフェル渓谷を通ってくるに違いないでしょうね。大軍で山脈を超えてくる事は考えにくい……」
「アイフェルだ」
「なぜ?」
「ランドセスの東部は奴らが自ら砂漠にしてしまった。それに、トルスの南部には大規模な帝国の幕営地がある。……どうした、アルバート」
「お言葉ですが、帝国軍は砂漠を超える能力を十分持っています」
「なるほど! そうだな。よし、全軍をカラズ・ランドセスの地へ向けるのだ。閣議はこれにて終了!」
三人は、閣議室の出口で紙切れを受け取った。
『ウサギゴヤニテマツ』


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