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War Chronicle of Toskiel(紺碧の空)完
:解放
ネイツの首都、ヘルフスクにトスキール陸軍の姿があった。ローゲンの防衛部隊はいとも簡単に陥落し、ネイツは解放されたのだ。
「おーい、ルフトツーク、お手柄だぞ」
“ローバスル”が接地し、疲れ果てた艦長が降り立つ。
「お前が上空から布陣を教えてくれたおかげで、敵の弱点を突く事が出来た。感謝するよ」
「は、はい、公王陛下……」
結局、コスクに到着してから休憩を取る事無くついて来たルフトツークの疲労は限界に達していた。
「しかし、義勇軍やレヴォルト、ネーズル軍の戦いも目覚ましかった。これはもはやトスキール軍というよりは反ローゲン連合軍だな」
フェルドランスが感心する。今回は連合軍の圧倒的勝利であったが、どうも帝国軍があまりに簡単に撤退して行った事が気になる。
「コスクの時といい、連中はいったい何を企んでるんだ……まるで俺たちがトグレアを解放しても構わないみたいじゃないか」
陸将はさらに東を眺め、拳を握りしめた。
「面白い。トグレア連邦、復活させてやろうじゃないか!」

コスクを解放してから数日後、レオナルド・ラインハルトは艦隊を率いてコルトへ航海していた。国民たちをトスキールへ返すのだ。
「コルトが見えたぞ……? 何だあれは」
コルトの町に黒煙が上がっていた。所々の民家が燃えさかっているのが見える。一体何があったんだ?
「港に正面から入港するのは止めよう。皆、岬の向こうへ」
ラインハルトの指示でトスキール海軍は港から少し離れた海岸に錨を下ろし、海兵隊が密かに上陸した。コルト市を森の中から観察する。
「あれは……!」
ローゲン帝国の部隊! まだ残党がいたのか。コルトの防衛部隊は何をしていたんだ?
「敵は少数だ。突撃するぞ!」
ラインハルトが先陣を切った。


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