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War Chronicle of Toskiel(紺碧の空)完
:格闘
「怯むな、全艦前進! 目標を撃破しろ」
ネーズル・トスキール連合艦隊は通常では考えられないコースを進んでいた。敵へ向けて正面から突撃をかけようというのだ。前方に砲を持たない木造帆船では、ひたすら敵の砲撃に晒される事になる。
「テルミドール轟沈!」
「ヴェストライン、操舵不能」
早くもネーズルの船とトスキールの船が一隻ずつやられた。だが、ラストロストリウスは巧みな操船で敵に近付いてゆく。そして、猛砲撃を続ける巨大戦艦“メガロドルカス・ギガンテス”の横腹にめり込んだ。
「海兵隊、行け!」
ぶち開けた穴から、手練の海兵が突入する。数世紀以前の海賊の戦法だが、ラインハルトは訓練していたのだ。
「敵艦の舵を奪え! 装備を徹底的に破壊しろ!」
それぞれ帝国艦と連合艦で一騎打ちが始まる。艦隊の最後尾のボレアリスには、ヴァイスハイトが突撃をかけた。
「何だ、この戦法は!?」
ネレイデが驚愕する中、海兵隊が乗り込んでくる。
「帝国海軍は、ろくに白兵戦もできないのか?」
彼女が即座に剣を抜くと、背後に公国兵の姿があった。
「お前が、この艦の艦長か。私はアイグレット・バークだ」
「君が……やっと会えたわね」
二人の剣が切り結ぶ。

「アプゲマハト爆発!」
「ええい、爆弾を三割投下しろ! 高度をとって奴の上から爆撃してやる」
帝国空軍第三部隊の隊長はミスを犯した。空中砲台の真下には航路を逸れたボレアリスとヴァイスハイトがぶつかり合っていたのだ。戦場に誤射誤爆は付き物であるが、あまりに不注意であった。大艦隊の爆弾投下が二艦を襲い、両艦とも爆発の中に四散した。
「前方、更に敵の別働隊です」
「何!?」
暁の空に、龍のシルエットが浮かび上がっていた。


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あきゅろす。
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