War Chronicle of Toskiel(紺碧の空)完
:失態
「空が、……黒い」
エズス諸島を影が覆い隠した。ドゥルデンを含め島民たちは何事かと空を見上げたが、誰もその光景を理解出来なかった。大量の爆弾を投下されても、逃げる事すら出来なかった。自分たちが襲われる理由を全く持っていなかったからだ。それに海上からの問答無用の艦砲射撃も相まって、東島の地形は以前のそれとは全く異なったものとなってしまった。そう、帝国軍がミスに気付いた時には、もう遅かったのである。地下深くに隠された財宝の在処を知るものはいなくなり、その後数世紀にも渡って数多の海賊がこの島へやって来る原因となった。