[携帯モード] [URL送信]

War Chronicle of Toskiel(紺碧の空)完
:序曲
トスキールの外交船が到着したという噂を聞きつけて、ボレイゲンの町は見物人であふれ帰っていた。
「あれが噂の、アルバート・ナイファーですか」
ネーズル王室直属外部対応部第七事務補佐官ズヘニグがにやりと笑って言った。トスキールの大勝利の事も知っていたが、国民の反応は過剰に思われる。衛兵が剣を構えた。
「こちらへ来ます。どう致しましょう」
「くれぐれも、無礼のないように。彼の望みも、可能な限りかなえてやりなさい」
数人の従者を引き連れて、トスキール公国宰相が姿を現した。
「あなたは、外部対応部の方ですか」
「これはこれは宰相殿、お迎えにあがりました」
一行はトカゲのような生物が引く車に乗り込むと、新たに設置された領事館へ向かった。

ナイファーがコスクを発って三日後。数隻の戦艦がコスクに入港した。ロイドに駐屯していた艦隊である。
「アイグレット!」
「ラインハルト様!」
海将に駆け寄って行った青年はラインハルトの弟子を名乗るアイグレット・バークである。どうやら、ラインハルトとしては満更でもないらしい。
「私もついに一つの部隊を任されるようになりました。これも師匠のおかげです」
「それはよくやった、アイグレット!」
これでトスキール海軍の全ての艦はコスクに集結した。これから、一気に避難民を輸送する大規模な作戦が始まるのだ。

その頃、カリギュラ宛にフューラーシャフトから一通の書簡が届いていた。今すぐ、コスクを強襲せよと言うのである。
「どうやら、アルマダも出てくるようだ」
「本当ですか。なら、負けようがありませんね……我が陸軍も既に十万人を動員しました」
「わかった。全軍をカラズ・ランドセスへ向け、コスクを殲滅させよ!」
神暦千九年十月三十一日、ローゲン帝国軍はトルスの基地を発った。

[*前へ][次へ#]

4/5ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!