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War Chronicle of Toskiel(紺碧の空)完
:任務
同時刻。帝国領ルベレに、フューラーシャフトの支部があった。そこへ、一人の男が現れた。
「貴様、何者だ!」
「判らないのか、ベーオウルフだ。定期報告に来た」
「ああ、あんたか。トスキール内部に潜入していた奴だな。残念だが、ここにあんたの居場所はない」
「どういう事だ?やめろ!」
衛兵はベーオウルフに掴み掛かると、その手を縛り上げて建物の中へ連行して行った。
「マグニサイドに会わせてくれ。情報を持ってきたんだ!」
「何だ、騒々しいな」
事務室の暗がりから現れたのは誰あろうマグニサイド本人であった。
「ヴェスト川で会って以来だな、ベーオウルフ。本当に、情報を持ってきたのか?君が捕まったという情報くらいは既に入っているのだが」
「そうです。なんとか、逃げ出してきました」
「疑わしいな。だが、もし君の情報が本当なら、信用しよう」
「私は、この耳でしっかりと聞きました。奴らは、逆にエルトザン地方から突撃してバイデクルトを叩くつもりです」
「なるほどな、よくやった。おい、彼を監房に連れてゆけ」
「なっ……頼む、信じてくれ!」
「この情勢で奴らが攻勢に出るとは考えにくい。もし本当に軍港が襲われたら君を解放するが、そうでなければ処刑する。残念だがね」
口を押さえられたベーオウルフの呻き声が聞こえなくなると、マグニサイドは傍らの士官に振り返った。
「カリギュラに伝えろ。十万の兵力を持って、首都コスクを強襲せよと。ロック諸島で演習中のアルマダも出撃させよ」
「しかし、皇帝陛下は停戦命令を出していますが」
「そんな事は関係ない。我々はフューラーシャフトだ。今を置いては、トスキール人どもをみすみす逃してしまう」
「ハッ」
「トスキールの馬鹿どもが、私がそのような手に乗ると思ったか。そもそも、私は貴様らの軍に興味はない。いかに多く殺すかで、勝敗は決まるのだ」
マグニサイドは笑った。


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あきゅろす。
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