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War Chronicle of Toskiel(紺碧の空)完
:帰還
「いなくなった……」
「勝った、のか?」
「やったぞ!」
しかし、町は荒れ果てていた。神殿は粉々に吹き飛び、畑は穴だらけになっている。瓦礫の下から宰相が這い出してきた。
「いわんこっちゃない……全く、公王陛下と来たら」
最後の花火があがり、美しい金色の火花が降り注ぐ。花火大会は終わった。

翌日。公王の一行は、続々とローバスルを後にする避難民たちの先頭にいた。公王の意向で兎を降り、歩いてコスクまで行くというのだ。
「へ、へ、陛下、なぜこのような事を、は、はあ」
「もちろん、俺たちだけ楽するわけにはいかないだろう」
「ところで、陛下、なぜあの空中砲台が爆発すると?」
「実はな、昔は勉強の時間に抜け出してよく貿易商人たちの話を聞きに行ってたんだ。そのとき、帝国初の気球が大爆発したっていう噂を聞いたのを思い出しただけさ」
ヴェスヴィオスはそう言うと、長剣をガチャガチャいわせながら駆け出した。
「お待ちください、陛下あ!」
二人の影は曲がり角の向こうへ消えて行った。


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あきゅろす。
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