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War Chronicle of Toskiel(紺碧の空)完
:出発
一方、コスク城。地下牢に二人の男がいた。
「俺を……俺をどうするつもりなんだ?」
「言ったろう。すぐに殺すつもりはない……ところで、お前、オレの兄を殺したのは誰か知っているか?」
「……」
男の顔は引きつっている。
「知らん……本当に知らないんだ」
「まさか、お前が……」
「違う、違う! 俺じゃない。本名はわからないが、コードネームはマグニサイドだった。それ以外は本当にわからん」
もう一人の男は何も言わずに去っていった。
城の前には、何台も馬車が用意されていた。東と南を山脈に囲まれ、一番危機感の薄いカルパート盆地のローバスルに警告訪問をするのだ。宰相と公王のお出ましとあらば、さすがに彼らの認識も変わるだろう。
「では、ラインハルト、後は頼んだぞ」
「もしコスクに敵艦隊が来た時は、俺様のラインハルト艦隊がぶっ潰してご覧に入れます」
「フェルドランス、お前も気をつけろ。勝手に暗殺されるんじゃないぞ!」
フェルドランスは全く聞いていない。傍らにいる見慣れない美人に見とれていたのである。
「あ……あの、貴女は?」
「新しく騎士隊隊長に任命されました、ベラドンナです」
「へえ、あの、それじゃ、後でお食事でも……」
「?……構いませんが、兄も呼んでよろしいですか?」
その夜、フェルドランスはパイクスタッフと夕食をとるはめになった。


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あきゅろす。
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