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War Chronicle of Toskiel(紺碧の空)完
:衝突
「さてさて将軍殿、一体どうするおつもりですかな?」
パイクスタッフが吐き捨てるように言った。フェルドランスはジェネラルポーンの駒を現在の軍の陣形に並べ替えるので大忙しである。
「だいたい、なんであそこに海軍の馬鹿将軍がいるんだ」
「川だ」
「は……?」
「川を使う」
「どういうことでしょう」
ベーオウルフは訳知り顔で言った。
「パイクスタッフ殿、谷の下を見てください」
「ん?ありゃあ、ヴェスト川がないぞ!」
「支流を全部水源からせき止めた。いつでも、狼煙を上げたら流れを解放する事ができる」
「そ……そんな事をいつの間に……」
パイクスタッフは谷底を覗き込み、恐るべき事に気付いた。
「お、おい! どういう事だ、ですか、将軍殿!? 下に、歩兵隊が一個師団は居るじゃないか!」
「ああ、そうだ。彼らには囮になってもらう」
フェルドランスは駒を眺めながら言った。
「ふざけるな! 兵士は駒じゃないんだ!」
ジェネラルポーンの盤をひっくり返すと、パイクスタッフは谷を走り降りて行った。
「熱い人ですね……」
「そういうのがいても面白いよ」
恐るべきスピードで谷底へたどり着いたパイクスタッフは、怒りのあまり声を失っていた。
「お……お前ら、海軍じゃないか!」
「そう、ここは俺様の海兵隊の管轄なんだよ、『副』将軍殿」
いつの間にか、ラインハルトが後ろに立っていた。
「貴様、これは陸戦だ! 海兵隊の出る幕じゃない」
「それはどうかな……ショウタイムだ!」


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