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天と地と、その狭間で(禮晶) 完

昔、昔の話。
人界にはまだ纏まった一つの国が無く、数多の氏族が覇権を争っていたと言う。
「ったく、少しは学習しろよ…だから馬鹿だって言われるんだ。あーあ、また共倒れしてる」
神仙の住む世界、天上世界。
一人の少年が欠伸をしながらそんな様子を眺めていた。
ふと、人界のある場所を覗いた少年はにやりとした笑みを浮かべた。
「お、何か面白い奴がいる」
最初はそう思った。
だが、眺めている内に少年の表情が険しいものへ、そして苦いものへと変わって行く。
「………。」
ちょっと降りてみるか、と少年は腰をあげた。
基本的に人間との関わりを持つ事は御法度なのだが……
「権力万歳、だな。」
それで良いのか、良いのだろうか、少年よ。
年齢の割にかなりの高位にいた彼は人界との境、天門(日時、特に時間によって場所が変わる)を探すべく歩き始めた。


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