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習作(kankisis)
五人目
全てが完遂されようとする頃
彼は突如として現れる



最後まで 烈しき炎に取り残され
彼等は何を望むのか
これ以上
もはや 何人にも聞き入れられぬというのに

偉大なる庇護者はその仕事を終え 都に迎え入れられた
彼とて 完全ではない
しかし その未完成さを充足せしめた
故に彼は 更に偉大な存在 更なる叡智の深みを覗く事の許された者に
満たされたのだ
欠けていた物は継ぎ足され 罪は帳消しとなった

ああ 最後には大罪を背負う者達のみが残される
生きる物全てが彼等を見放し
死んでいる物全てが彼等を呪う
硫黄は勢いを増し
炎はいよいよ盛んに燃え盛る

そこは既に 死のみが覆い尽くし もはや骨と皮ばかりの残骸を
無惨にも貪り尽くす
肉体は滅ぼされ
魂さえもが滅ぼされんとする
だがその魂は 未来永劫消え去る事はない

これ程の苦しみはあるのだろうか
天罰と言えども惨すぎる
だが それは避けることの出来ない定め
ああ 彼等の苦悩は
終わる事を知らない



その時 兆しが現れ
最後の使命を果たすために
彼は遂に現れ
事を起こす

その前任者等でさえも成し遂げなかった偉業を
つまり全てを救うという働きを
彼は行う

それを拒もうとする者さえ
救いを求め出し
悪に染まった心を改める
それまでに彼は偉大である
それまでに彼は寛大且つ厳格である

始まりであり終わりである者と共に
彼は前任者さえも第二の死から救い出す



これで全てが救われる
彼等の為に歌が歌われ
彼等には衣が与えられる
造られし者は全て祝福され
鐘はどこかより勝ち誇るように鳴り響く



おお 我等は全てを讃え歌を歌う
これから訪れるべき幸福の為に

もはや悪は存在し得ない
全ては平等になり
消え去るべき物はもう現れない
永久に 新しき都は栄え続ける
聖都は 光の衣を纏い 永遠に ああ 正しき道を 歩み続ける
ああ 彼等を ああ 彼等を その声で 讃えよ!

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あきゅろす。
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