習作(kankisis)
四人目
彼はいるのか
それとも
見えるだけで
本当はいないのか
ああ 汝 姿を見せるも
そうしていながら
その実 動かぬ者よ
何故 動かぬのか
何故 救わぬのか
救おうとする気はありながら 何故 唯傍観者であり続けるのか
思い案ずる事を知っているのに
それ故に 何もしないのか
ならば
我等は彼を糾弾する
烈しく
何よりも烈しく
だが
彼は第二の死を免れる
ならば
我等は その事を賞賛する
そして その計り知れぬ叡智を
窺い知ろうとなどせず
いつか下されるだろう大いなる判断を
その時まで 忍耐を以て待ち望むのだ
汝 いるのならば
せめて
その秘跡を
行い賜え
偉大なる行いの実を
結ばせ賜え
そして判断の時がやって来る
その時 彼は偉大なる庇護者となり
彼等を恐るべき怒りから救うのだ
その行いにより
遂に白い衣を与えられ
彼は欠けたる実の恩恵にあずかり
永遠に
幸福を分かち合う
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