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習作(kankisis)

始まる
さざ波は広がり
笑い出す
悲しみを告げる歌が奏でられ
突如 運命の咆哮が轟く
激情が迸る


彼は絶望に立ち向かう
なぜ?
その答えを見つけるため
鎧をその身に纏え
行進は既に始まっている
さあ 戦おう


彼は剣を手に掲げ突き進む
その姿は英雄そのもの
打ちのめせ
敵は無慈悲で残酷
行け 大地を生臭い血の海で満たせ
己を信じず何を信じろというのか
その身を守れ 敵は強い
彼は遂に確信を得る
自らの勝利を 敵の敗北を
全てを信じその鋭利な武器を突き付けろ


その時が来た
歓声の中
彼は慈悲などかけず一息に止めを刺そうと 剣をその手で握り締め持ち上げた
そして
運命の打撃が彼を打ちのめす
混乱が天を覆い隠し 彼の息の根を止めようと忍び寄る
一度落とした剣を取り上げ
彼は再び死の行進を始める
鞭は馬を駆り立てる


悲劇は再び訪れるだろう
行け 今度こそ
憎しみをぶつけろ
敵を倒せ
恐れるな 進め進め


勝利を求め彼は戦う
今度こそ
敵はすぐそこだ
彼はゆっくりと歩を進め
後ろから叩き斬ろうと敵に近寄る
しかし
再び運命の打撃が彼を襲う
剣は折れ鎧は砕かれた
混乱の中
彼は自らの血を飲み何を思った
敵は去った


さざ波は広がり
笑い出す
悲しみを告げる歌が奏でられ
突如 運命の咆哮が轟く
平穏は戻ったが傷跡は消えない
悲痛な沈黙が続く


ふと沈黙を破る者が現れる
英雄は再び立ち上がり
持って生まれた使命を果たすため
戦いを始める
機を逃すな
闘いの歌は声高く響き
勇壮な行進曲はリズムを刻み続ける
高尚な目的のためにどこまでできるのか?
敵は嗤いながら挑発を繰り返す
英雄はそれに応じ剣をぶつける
機を逃すな
鐘は容赦なく打ち鳴らされ血飛沫を上げる
今度こそ 敵は強い
さあ 打ち倒せ
使命のために
勝利の歌が轟き渡る
自らの証明を完遂せしめんと
英雄は剣を意志の力と共に振り下ろす
そして
運命の打撃が
傷付いた肉体を破壊する


さざ波は広がり
笑い出す
悲しみを告げる歌が奏でられ
突如 運命の咆哮が轟く
彼は大地に倒れ込み
絶望の中
静かな祈りを呟き続ける
その目は最早生気を失い
両手は剣を放棄し
運命の力に抗うこともない
運命は止めを刺しにやって来る
そして
彼は息絶え
死の沈黙が辺りを支配する


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