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縹(禮晶)完
弐伍(終)
「翔鳳峰、だよな?」
十六年間も住んでいたのだ。絶対に間違える筈がない。
だがこの派手派手しい廟は一体何なのだ。
こんなものは翡と暮らしていた頃は絶対に無かった。
「………縹珠廟…」
誰の仕業なのか一発で判明した。
「玉…」
道理でこんなに趣味の悪い廟になった訳だ。納得。
縹だって他人の事は言えないが、玉の趣味は最悪だった。
宮中にいた時も服飾の女官達にいつも呆れられていた。
それでも、彼が考案してくれたのだろう。
その好意はありがたく受け取るべきだ。
「本当に何なんだよこの廟……扉まで」
無駄に金銀宝飾の多い扉。
泥棒の格好の標的だろうと思ったら麓に軍隊がいた。
どうやら新設の縹珠廟守備軍……らしい。

「どんだけ税金を浪費したんだか…頭痛い。」
そう言いつつも縹の口元は笑っていた。
                                 【終】


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あきゅろす。
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