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縹(禮晶)完
弐壱
「おい怨霊!」
縹は空の上にいる怨霊に大声で呼びかけた。
「俺が、珠…お前達を殺した蒼の封印を継ぐ第一皇子だ。 そんなに俺達が憎いのなら、この生命くれてやる!」
玉は驚愕と恐怖の余り声を出す事さえも忘れていた。
怨霊は、真っ直ぐに縹へと向かって来る。
「ぐ…」
怨霊達の魂魄が自分の魂魄を蝕み始めたのを感じた縹は、残された僅かな力を振り絞って封印の毒を飲み干した。
「俺と共に…」
「縹っ!」
玉の口元がどうしてか兄上、と動いた様に見えた。
(馬鹿言うな、お前みたいな弟…)
……まぁ、悪くないかもしれん。
そう思った瞬間、瞼の裏で真っ白な光が弾け飛んだ。


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