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異国間における神話の関連性
トグレア神話
概要
 トグレア神話は口頭で伝えられていたため現在はいくつかのバリエーションがあり、以下に説明するのは主流となっている『コカトリス』と呼ばれる物語である。

 千年以上前、人々はとても豊かな生活を送っていた。犯罪も災害もなく、世界を創った神であり人々の母、ストラートスもその様子を見て喜んでいた。だが、悪魔はそれが気に食わなかった。同じストラートスに創られながら、繁栄を得られなかった悪魔は人類を妬み、まず“争いの種”を人々に植え付け、人々が互いの豊かさを憎み、互いに疎みあうのを待った。次に悪魔は西の海から“コカトリス”を遣わした。コカトリスは人々の家を焼き、田畑を焦土に変え、人々を食った。悪魔の計画通りなら、人々は互いの不幸を笑い、自らを滅ぼすはずだった。だが、一人の靴屋(金物屋という説も多い)の少女が呼びかけ、人々は共にコカトリスと戦うことを決めた。少女の名はタクティナ・トスキール(南部ではタクテナ・ラフドール)と言い、彼女はストラートスに人々を救う使命を受けていた。人々は苦戦を乗り越えてついにコカトリスを追い詰め、タクティナの槍がとどめを刺した。人々は救われたが、町や畑は焼き尽くされてしまい、昔のような豊かな生活に戻るには長い年月が必要だった。人々は巨大な連邦を作って互いに助け合い、それぞれ構成国の当主にはタクティナの子孫たちがなった。タクティナがコカトリスを倒したことを記念に神暦が始まり、現在に至るまで、人々は豊かな生活に戻る途中なのである。

 一部の地域ではタクティナがコカトリスと戦っているときに、悪魔はストラートスを殺してしまったとも言われている。そのため、昔と違って今は新たな畑を開墾するのが難しいのだ。すべての物語では決まって怪物が登場し(蜂、ムカデ、龍など様々である)、人々を襲う。最後は怪物は倒され、悪魔も消え去るが、悪魔の行方を伝えた物語はない。


編纂の目的
 この神話はむしろ寓話に近い口調で語られており、その形態も様々である。人々はこの物語を用いて、喧嘩をする子供たちに怪物が来るぞと脅したりすることが多い。また、トグレア連邦の存在目的も示しているため多用され、かつては多くの教育機関でこの物語が事実として教えられた。後半の建設的な終わり方は、おそらくその頃追加されたものであろう。トグレアの西部を統轄するトスキール家、南部を統轄するラフドール家はタクティナの直系の子孫だと言われるが、真相の程は定かではない。


神器
 一つ目は「シクザールの槍」。この神器はタクティナが怪物の息の根を止めたときに使用されたと言われているが、怪物の尾の先に生えた針から作られたという言い伝えもあり、矛盾が指摘されている。神の心が宿っており、いかなる的をも外さないと言う。トスキール公室の金庫に保管されているらしいが、公開などはされていない。
二つ目は、「グレナディールの鎧」。これもまたタクティナが装備していたという説と怪物の皮膚から作られたという説があるが、後者の方が有力である。どのようなものでも貫通することができず、10R上からノメイル製の大剣を落としても、傷一つ付かなかったという記録が残っている。イースラークに保管されていたが、戦火に見舞われ現在行方は分かっていない。

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あきゅろす。
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