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異国間における神話の関連性
ノメイル神話
概要
 先ず、ノメイル神話の主な粗筋は以下のようなものである。

 最高神ギガと創造神ストラの間に双子の兄弟が産まれた。二人は双子をそれぞれドーグ、ルブーイと名付け、大事に育て上げた。しかし控えめなドーグに対し野心溢れるルブーイは次第に世界を最高神ギガの手から奪うことを目論むようになる。そしてルブーイが二十歳に成った時、彼は最高神ギガに敵対する勢力を組織し、最高神ギガに宣戦布告する。その後三万年に及ぶ全面戦争の末、ルブーイは最高神ギガによって滅ぼされる。

言文一致以前の文法で書かれているが、ある程度の語学的知識さえあれば普通に解読でき、口語版も広く普及している。そのため神話考古学が生まれてから十年も経つと研究対象とされなくなった。


編纂の目的
 この神話には編纂者の地位を特権化するという多くの神話が持つ目的の他に――北東に人間よりも強大なガゼルなる生物が多数棲息しているというノメイル独特の内部事情から――来るべきガゼルの人間国家に対する侵攻に備え、団結させるという目的がある。実際、神話の中でガゼルはルブーイによって創造されたとされ、人間を大量惨殺する様子が何度も執拗に描写されていることからも明らかである。そして実際この目的は達成されているようだ。世論では人間対ガゼルの構造が定着している。


神器
一つ目は「ホーキョク」。この神器は創造神が天地創造の際、エネルギーの源として使った璧とされる。また、この神器に刻まれている紋様は他の神器に刻まれている紋様と、塗料の発色や線の太さ等に違いが見られる。製造場所が違うのではないかと思われる。
二つ目は「カカミ」。この神器の神話における役割はよく分かっていない。私の見解では、これはノメイルの工業の発展を象徴するための物である。
そして三つ目は「ツルキ」。最高神ギガが自らの手で息子ルブーイの止めを刺すのに使われた。ギガ殲滅のために送り込まれた生物兵器の尻尾から出てきたもので、他の神話と照らし合わせるにこれは極東の神話に登場する八頭竜と同一のものでは無いかと思われる。
これらの神器の存在は、ホーキョク、カカミについては証明されている。毎年十一月三十日の「神々の戦争終了記念日」に行われる式典でソノス寺院の蔵から出され、公衆の目に公開されているからだ。
しかしツルキの存在については分からない事が多い。今現在、喪失中とされている。喪失する以前の記録によると、重なった十の死体を、刃毀れする事も無く切断する事が出来たらしい。

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