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†ガゼ菓子†
32口径の拳銃
32口径の拳銃



今宵はジメジメした
「五月雨」です。
レア気味の本能が
ガラガラとうずく
ひきだしに隠してた
ホコリまみれの32口径の
冷たく重いピストル
六畳一間のこの部屋は
何時も七年前のアノ夜を
抉り返す。
目をそむけてきた
事実に追い詰められて
前には進めず
また途方に暮れてしまう

子供の頃
ずっとずっと
一人ぼっちで辛い時は
気付いて欲しくて
泣いてた僕を捨てた
父や母の顔を浮かべては
幾夜も幾夜も泣いて…
声をあげて

今宵はジメジメした
「五月雨」です。
レア気味の本能が
ガラガラとうずく。
安定剤漬けの毎日も
今日で終了です。
ドクドクドクドク胸が
張り裂けそうさ!

投げやりになれば
楽になれたのに
ためらうばかりで
身動きも取れず
もし生まれ変われたら
その時は今より少しでも
いい幸せに
なれたらって…
優し過ぎの母親と、
心配性の父親の愛を
受けて育った僕は
臆病さを、
弱さを憎んだ…
いつか3人手を繋いで
またここで一緒に
暮らそうねって
そう言ったから
僕ずっと待ってたのに
どうして帰って
来てくれなかったの?
ずっと…
待ってたんだ…
(信じ続けた少年は
皮肉にも五日後の
昼過ぎに両親の元に
帰りましたとさ…)

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