story ウィーンI >>隼・裕生 「りっすぃーどこ行ったってんだぁ?腹減ったし」 そろそろ昼だ。裕生は腹を押さえた。 「俺、逸志さんと喋ったことあんま無いからなぁ…」 「お前のことなんか聞いてねぇよ」 「んだとぉ?!」 二人は道の真ん中で睨み合った。 「ん〜!!…やめよ、腹減る」 隼がため息をついて再び歩き出した。 「そだな」 黙って歩く二人。 「つーかさぁ」 裕生が口を開いた。 「!!ビックリしたぁ。急に声出すなよ」 「お、すまん。」 「……何だ?」 隼は何故話し掛けられたか気になった。 「何が?」 裕生は忘れているようだ。 「何で、話し掛けたんだっつってんだ!!」 隼はイライラしてきた。 「あぁ…こんな探さなくても開人が転移すれば良いんじゃないのか?」 裕生の言っていることはもっともだ。 「俺さ、よく分かんねぇけど、開人の力弱くなってる気がする。今まではすげぇ魔力感じてたけど、今はな…。だから使えないんじゃないか?」 「そういや元気ないかな。基本、開人元気じゃないけどな」 裕生も開人の姿を思い浮かべた。 「結果、無理。か…。」 裕生はため息をついた。 前へ『*』『#』次へ [戻る] |