第2話 占い師 @
“……もうすぐ、ね……”
山岳地帯の田舎からの上京は思った以上に大変だった。
“――やっぱり、通らないと駄目?”
山岳地帯の田舎である。
自然豊かなのはいいのだが、交通の整備などされてなく、足場の脆い山道を通らなければ先に進めない。
「……はぁ〜……」
私は思わず、ため息をついた。
“――あら?”
こんな所で人に会うのは珍しい。
私の目の前には三人の男の人がこちらに向かって歩いてきた。
目の前には三人組の男達がいた。
“――わあっ! ど、どうしょう!”
私は元来、口下手な上、今は着ている服もあまり綺麗ではない。
とても人様の前に立てるような格好ではなかった。
“……か、隠れないと!”
どうして、そんな考えにいたったのか今に思うとなぜだか分からないが、三人組が私に気付いていない事をいい事に私は近くの茂みに隠れ、様子を伺った。
「アニキ、どうします?」
何も知らない三人組は私に構わず、話し出した。
「どうしたも、こうしたもないだろ! やっちまったモノは仕方ねぇだろうが」
“何を?”
「だけどよ」
三人組の内、一番、年若い男が伏し目がちにそう言った。
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