第1話 パーティ名 〜戦闘〜 @
「それじゃあ、都を出る時に呼んで」
そんなコトを言い、さっさと消えたのは依頼人オリオールだった。
ボクは盗賊のREY。
ここ、ランドリードの都でケンカに巻き込まれ、投獄されていたトコロを謎の冒険者オリオールに助けられた。
なぜ、彼が『依頼人』か、というと、本人はボクに選ばせたのだろうが、お偉いさんに知り合いの多いオリオールのお陰で、ボクは釈放された。
オリオールはこの先の町に行くための護衛として、ボクを釈放した。
そのため、オリオールの依頼を受けなければ、ボクは牢屋に逆戻りすることになる。
依頼を受けた、といえば、聞こえはいいが、とどのつまり、そうする以外に他になかった、という状況にさせられたのだ。
「REYさん、どうしたんですか?」
ボクの隣で、のん気にアイスをほお張っているのは孫策さんという戦士だ。
依頼人の助言に従い、酒場に募集を掛けたトコロ、募集広告を持って、すぐに来た女だ。
いかにも、人生を楽しんでます♪、というのを体現したような女だった。
「……ちょっと付き合って」
「どこへ?」
「いいから付き合って」
「は〜い」
文句を言うかと思ったが、これからピクニックに行く、といった調子で孫策さんはついて来た。
――ボクはこの人の実力を見極めなければならない。
“冒険はじまって、すぐに死にたくはない”
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