プロローグ 〜REY〜
ボクの名前はREY。
これでも盗賊なんだ。
そのボクは今、牢屋にいた。
「……さてさて、どうしたもんか……」
町でケンカをふっかけられ、飛び来る火の粉を払うため、戦ったら役人に捕まり、この有様。
ボクと戦った相手も、どこかにいるんだろうが、そんなのボクの知ったコトではない。
「?」
物音――というより、騒音が聞こえた。
「……騒がしいな……」
“一体、ナニがあったんだか”
ボクは格子の間から外をうかがった。
「ご苦労さま」
外の様子がわかったので、興味をなくしたボクは格子から離れ、横になった。
“脱走なんて、よくやるね”
そう、どこかの牢屋で脱走があったそうだ。
――それも、こんな真っ昼間に。
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